Facebookの新機能「グラフサーチ」が内包するリスク

Facebookの新機能「グラフサーチ」が出会い探しに使える可能性とプライバシー情報の流出につながる懸念に言及したニュース。

Facebookは15日、投稿検索の新機能「グラフサーチ」を発表した。これはFacebookに投稿された約10億人のプロフィ-ルや240億枚以上の写真などのコンテンツ全てが検索対象となる新機能。「友達の友達のうち、○○大学を卒業して近所に住んでいる人」「自分と同じ映画に『いいね!』を押した人」「○○の仕事を探している人」などといった情報を探すことができる。

Facebookの使い方が大きく広がることを期待させる新機能だが、プライバシー保護の観点から批判も起こっているようだ。映画や音楽、趣味などの嗜好が検索対象となっていることから「○○が好きな近所に住む20代の女性」「○○によく行く女性」といった検索が可能になり、当然ながら出会い目的の利用が急増すると考えられる。Facebookは実名制で顔写真をアップしているユーザーが多く、その上で趣味嗜好や行動範囲まで検索できるとなれば出会い目的の利用者にとっては願ってもないサービスとなってしまう。

さらに、この機能を悪用した人物が、特定の相手の個人情報を聞き出し、犯罪に利用するのではという懸念もあがっている。実名制をうたっているFacebookだが、やろうと思えば偽名の捨てアカウントを開設できるのは周知の事実であり、犯罪者側はプライバシーを明かさずにターゲットに接触できてしまう。日本では振り込め詐欺がいまだに横行しているが、犯罪者グループがターゲットのFacebookから家族情報を入手し、騙す際の材料にしているとも報じられている。

引用元:EXドロイド
Facebookの新機能「グラフサーチ」で“出会い系”化が加速!!? 振り込め詐欺等に悪用の危険も』(2013年1月16日)

Facebookに限らず、SNSに関するセキュリティやそれに関わるリスクについては、ここのところ広く議論を巻き起こしていますが、SNSのサイト性質の宿命とも言える問題を内包しているように思います。

それは、
SNSのサービス提供者側の理想とする姿と、利用者側のニーズが必ずしも合致しない
ということです。

サービス提供者側は、まず利用者に健全な利用をしてもらうことを前提としています。
そして、リアルな日常世界と同等、あるいはそれ以上のコミュニケーションの場として機能することを期待するわけですが、利用者がSNSに求めるものとには若干のずれがあるのです。

SNSの利用者は、人とつながりたいという純粋な目的以外にも、『異性との出会いのきっかけ作り』としての役割に期待する部分があるのです。

人が異性との出会いを求める動機には純粋な恋人募集だけとは限りません。
当然ながら、異性を求める感情や行動が本能に基づくものである以上、性的な欲求を満たそうとする気持ちも伴うことが多いわけです。

したがって、必ずしもSNSのサービス提供者が期待するようなコミュニティの健全な発展が実現されるとは限らないのです。このことは、引用元の記事中にもある「プライバシー情報の不正な取得、犯罪への悪用」などについても同様です。

それらを防ぐ目的でFacebookでは実名制を採用しているわけですが、それが安全性の担保につながらない面があることを奇しくも露呈することになっていまっています。同時に、「実名制」とは言いながら偽名でも利用できてしまうという抜け道があるということについても言及するべきでしょう。

ネット上のSNSなどのコミュニティは、誕生以来常にこうした問題に直面してきましたが、利用者が求めるものが「日常では得られない経験」である以上このような問題は簡単にはなくなりません。

みなさんは、これについてどのように考えるでしょうか?